2008年7月28日月曜日

リペア終了。


そんなわけで、ドイツ製の古いアコーディオンのリペアが完了しました。
新しく作ってもらったボタンパーツの差し替えは最近のものと構造も違うし思った以上に時間がかかりましたが、出来上がるといい感じに楽器になじんでいて差し替えて良かったな〜、と思いました。

アクリルの持つシャープな雰囲気がどうだろう、古いキャビネットに新品の取っ手をつけたような違和感があったらどうしよう...と心配しましたが職人 I さんに加工していただいたパーツはひとつひとつ削り出して作っているので、よーく見るとアールの付き方が全部違っていて不揃いで、その微妙に違った形は暖かみがあって古いものにもなじむようなのです。

他人からすればコストもかかるしどうでもいいことなのかもしれませんが私にとっては大事なこと。こだわりたい部分なのです。
約80年前のこの楽器、決して高級なものではありませんが手をかければ立派に現役で使えるし、自分よりも年上の歴史をくぐり抜けてきたこの楽器に最大の敬意をはらいたいのです。

飾りのラインストーンが何カ所かはずれていたので新しいものにつけかえたら作業は完了。早速、友人の主催するCafeのフリーマーケットで展示させていただきました。
お客様が試演したいとのことで「ケ・セラセラ」を奏でてくださったのですが、人が演奏しているところを客観的に見るとやっぱりかわいい楽器だなぁ、とほれぼれしました。
音色はCDなどで聴く1920年代あたりのアコーディオンの音と一緒。
考えたら1920年代の楽器なので当たり前なのかもしれませんが、CDの音はアナログ録音してSP盤で再生されたからそんな音色に聞こえるのかとずっと思っていました。
調律する際にリードのスチールの感触が最近のものとは違っていたので、当時の音色はこんなだったんだな〜と改めて感動。楽器本体の共鳴なども関係するのでリードの成分だけのせいとは言えないのですが、発見がありました。
やっぱり面白い楽器だな〜、アコーディオン。

2008年7月22日火曜日

vintage accordion


昔から古いものに心惹かれることが多くてアンティーク・ショップとか古道具屋をブラブラするのが好きでした。
年代によって色々あるけれど好きな感じのものはアンティークと呼ばれるほど古くなくて、1920〜1960年代くらいの半分大量生産で半分手工芸的な要素のものたち。
何に心惹かれるのかと考えると、様々なアイデアにあふれていて前向きでエネルギッシュなデザイン性。

アコーディオンもちょうどそのあたりの年代が最も需要があって市場も活気があったようです。
個人的な憶測ですがその頃はオーダーメイドのシステムも非常に充実していたのだろうなと思います。ヴィンテージのアコーディオンを調べると本当に面白いデザインのものが沢山あります。
人と同じじゃ面白くない、とこぞって装飾をほどこしていたのでしょう。
楽しくて見ているだけでワクワクとしてきます。

こんなに楽しげな色合いがある楽器も他にないなぁ、やっぱり面白い楽器です。

2008年7月18日金曜日

日本の職人さん。




ただ今リペア中のドイツ製の古いアコーディオン。
内部の構造がYAMAHAの初期のものとそっくり同じで、かつて日本国内でアコーディオンを生産する時にこういった海外のものがモデルとなり研究されていたのだろうな〜などと推測するととっても楽しくなります。

とても状態が良かったのでリードの洗浄とリード弁の張り替え、調律をしたら外装はほとんど直さなくても大丈夫でした。
どなたかが以前に外装をリペアした痕跡があるので、大事にされていたんだなぁ、とホッコリ。

でも一カ所だけどうしても気に入らない所があったので一からやりなおすことに。
アコーディオンを入手した先の話を鵜呑みにするなら、このアコーディオンは1920年代の生産らしい。
ボディのセルロイドの部分は変色もなく真っ白でピカピカなんですが、ベースボタンのパーツが別素材のプラスチック(成分不明)でそこだけ劣化していて汚い。
他がきれいなだけに目立ってしまうのです。
そこで今後私の仕事にはかかせない人物になるであろうプラスチック加工の職人の I さんにベースボタンのパーツを作ってもらうことにしました。

出来は案の定すばらしい!
私がやりたいと思っていることを相談すると、とても面白がって色々サンプルを作ってくれて協力していただいていますが、そんな I さんも70代。日本の経済発展の根底を支えてきた技術の世代の方です。
技術を継ぐ人は今のところいません。悲しい現状です。

技術...この大量生産の時代、なんでも機械で簡単にできるのだろうと勘違いしてしまいがちですが、それは大きな間違いでひとつひとつ大事に人の手で加工する仕事の大切さを忘れちゃいけないんだと思い知らされました。
私はいわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代に属しますが、少し上の世代の方々が捨ててきたものを私達の世代は拾い集めて受け継いでいかなければならないんじゃないだろうか。
いや、うすうすそうしなければいけないことくらいみんな気付いているんじゃないだろうか?

同じお金を使うのなら、そういったことに回したいな。
もっと技術が尊重されればいいのに。
あ、アコーディオンの話から逸れちゃった、ごめんなさい。

焼きたてパン。


我が家の4軒むこうにパン屋がオープンして早3ヶ月。
とってもマイペースなお店で若い男の子が黙々と試行錯誤を重ねてパンを焼いていたのですが、ほんの1週間ほど前に野菜作りの修行にでていた彼女が帰ってきて、ふたりでお店を切り盛りするようになりました。
そして新たな試みとして焼きたてのパンを販売するようになったのですが....

焼きたてって、ほんとうになんて幸せなんだろう。おいしい!!

パン屋さんは独学ですが色々な酵母を研究して作って、国産小麦を丹念に石臼で引いていて、そのこだわったパンは焼きたてでなくてもとっても美味しかったのですが、焼きたてはビックリするほど美味しかった。

しっかりした身のつまったパンは見た目以上にお腹がふくれるので食べきれず、半分次の日にもちこし。
朝食にデロンギオーブンで軽く焼いて食べたんですが、2日目もまたおいしい。。。ていうか今までは寝かせた2日目を食べてたってことみたい。
天然酵母のパンって2日目は「えっ」て思うくらい味が落ちるものもあるけれど、酵母にもよるのかな?
大阪・九条の「ぽこぱん」一度ぜひ食べてみてください。
写真はあまりうまく撮れなかったけど焼きたてのチーズパンと試作品の枝豆チーズパン。カリカリでもちもち。

ここのところ食の環境が充実してます。あぁ幸せ。

2008年7月14日月曜日

まぼろしのとまと。


子供の頃はトマトが大好きだった。夏は毎日トマトを最低ひとつはまるかじりしてたなぁ。
高校を過ぎたあたりからなんとなくトマトをかじってる記憶がなくて、数年前に高知県に行ってフルーツトマトを食べてから無性にトマトが食べたくなった。
フルーツトマトはとっても美味しかったんだけど、でも食べたいな〜と欲するのは子供の頃食べてたあのトマト。
おいしそうなトマトを見つけては買ってみるけど美味しくな〜い、違うな〜...の繰り返し。
フランスのマルシェでも買いまくったけど、においは近いのに違うっっ。

あきらめたころに、ふと友人からいただいた無農薬野菜の中にまぎれていた小さなトマトが、懐かしいあの味だった。
ああ、これだ、この独特のツンとしたにおい。
やや堅めのしっかりした皮をかじると、口中に広がる。やっとトマトに再会できたよ、元気だった?

なんだか「おかえりなさい」と言いたい気分になった。

2008年7月13日日曜日

ライブ見に。


昔からの友人が歌う、てことでライブを見に某カフェへ。
他の出演者を知らずに出かけたら大好きな演奏者であり作曲者でもある赤松洋一氏も出演していた。
ラッキー、嬉しいな。案の定ビシビシにいい音。
調律の仕事をしているのにこんな意見はなんだけど、音楽はリズムだ!!音程なんて多少狂ってたって関係ない。
でもリズムの世界もまた、メトロノームでバッチリきめた拍どおりのことを良しとするのかは判断が難しいところなのだけれど。
答えがあるようでない世界。
でも当然やね、人の心が割り切れるのか、といったらそうではないから。
答えがないから面白い!
すべてのことがそうなんだ、とビール片手に夏の夜。

ブログ開始しました。

はじめまして。初ブログです。今後、私の仕事で出逢った人や事について書いていこうと思います。