2008年7月18日金曜日

日本の職人さん。




ただ今リペア中のドイツ製の古いアコーディオン。
内部の構造がYAMAHAの初期のものとそっくり同じで、かつて日本国内でアコーディオンを生産する時にこういった海外のものがモデルとなり研究されていたのだろうな〜などと推測するととっても楽しくなります。

とても状態が良かったのでリードの洗浄とリード弁の張り替え、調律をしたら外装はほとんど直さなくても大丈夫でした。
どなたかが以前に外装をリペアした痕跡があるので、大事にされていたんだなぁ、とホッコリ。

でも一カ所だけどうしても気に入らない所があったので一からやりなおすことに。
アコーディオンを入手した先の話を鵜呑みにするなら、このアコーディオンは1920年代の生産らしい。
ボディのセルロイドの部分は変色もなく真っ白でピカピカなんですが、ベースボタンのパーツが別素材のプラスチック(成分不明)でそこだけ劣化していて汚い。
他がきれいなだけに目立ってしまうのです。
そこで今後私の仕事にはかかせない人物になるであろうプラスチック加工の職人の I さんにベースボタンのパーツを作ってもらうことにしました。

出来は案の定すばらしい!
私がやりたいと思っていることを相談すると、とても面白がって色々サンプルを作ってくれて協力していただいていますが、そんな I さんも70代。日本の経済発展の根底を支えてきた技術の世代の方です。
技術を継ぐ人は今のところいません。悲しい現状です。

技術...この大量生産の時代、なんでも機械で簡単にできるのだろうと勘違いしてしまいがちですが、それは大きな間違いでひとつひとつ大事に人の手で加工する仕事の大切さを忘れちゃいけないんだと思い知らされました。
私はいわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代に属しますが、少し上の世代の方々が捨ててきたものを私達の世代は拾い集めて受け継いでいかなければならないんじゃないだろうか。
いや、うすうすそうしなければいけないことくらいみんな気付いているんじゃないだろうか?

同じお金を使うのなら、そういったことに回したいな。
もっと技術が尊重されればいいのに。
あ、アコーディオンの話から逸れちゃった、ごめんなさい。

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